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前回、フィン・ユールの家について書いたので、今回は、彼の代表作だといわれている45番チェアとチーフタンチェアについて少し書きたいと思う。 人口も少なく国も小さいデンマーク。そのデザインが世界中に知られることになったのは、おそらくフィン・ユールのお陰だろう。 彼の作品名が番号になっているときには、それは作られた年を表している。45番チェアは1945年にデザインされ、フィン・ユールの良きパートナーでもあった家具職人、ニルス・ヴォッダー(Niels Vodder)によって命を吹き込まれた。初めて世に紹介されたときには、当然のことだが、かなり話題になったようだ。この椅子の醍醐味は、言葉では表現するのが難しいほどの美しいフォルメと繊細さだ。40年代にデザインされたことを忘れてしまうような椅子であり、フィン・ユールの才能の集大成である。 ニルス・ヴォッダーの後、いくつかの工房でも手掛けられ、現在でもハンセン&ソーレンセンで作り続けられている。そのため、45番チェア自体はそれほど珍しくはない。しかし、ローズウッドの45番チェア、特にニルス・ヴォッダーのものには、最近では、なかなかお目にかかれなくなってきている。 ひとつ気をつけないといけないのは、45番は構造上、アーム部分と背の接合部分に弱点があるということだ。悲しいことに、ニルス・ヴォッダーの45番チェアでここが破損してしまい、修理を施しているものも多い。
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Niels Vodder製 チーフタンチェア
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さて、チーフタンチェアだが、45番チェアと並ぶフィン・ユールの代表作ではあるが、その魅力は全く別のところにある。45番同様、イージーチェアの範疇だが、その風格たるや堂々としたものである。チーフタンチェアの別名は、FJ49Aというが、1949年にニルス・ヴォッダーが初めてつくり、以後、何箇所かの工房で、またボーヴィアケ(Bovirke)の工場や、アメリカのベーカー・ファーニチャー(Baker Furniture)でも作られてきた。当然のことながら、一番の人気はヴォッダーのもので、一説によると75脚しか作られなかったという。現在では、45番チェア同様、ハンセン&ソーレンセンで作り続けられている。 人気のヴォッダー製チーフタンチェアだが、工房の刻印がない場合、どのようにして、ヴォッダー製かどうかを見分けたらよいのだろうか?ヴォッダーの工房では、全ての椅子に刻印を押していたわけではないのだ。初期のチーフタンチェア(ヴォッダーだけではなく、シュレッヒター(Schlechter)製も含む)では、アーム部分にグラスファイバーが使用されておらず、そのため、後期のチーフタンチェアのアームと比較すると、薄く、よりエレガントになっているのだ。 また、数は少ないものの、チーフタンソファも存在する。ニルス・ヴォッダーやニルス・ロート・アンダーセン(Niels Roth Andersen)が手掛けたものだ。 ヴォッダー製の45番チェアやチーフタンチェアに高値がつくようになって久しいが、そのうち、他の工房のものも同じ道を辿るようになるのだろうか。
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